本番だけでなく、向かうプロセスでの成長に注目してほしい

当園では、
運動会での3歳以上児クラスで行うリレーの走順や勝つための作戦会議・
練習内容も、出来る限りこどもたちに任せています。

重要な走順は、まずは自分で走りたい順番を考えて、
立候補をしていきます。

その後は話し合いで決めたり、
時にはじゃんけんで決めたりと様々です。 　　　　　　　

年長さんになると、リレーにかける思いも人一倍強く、
毎年、順番決めや練習では様々な物語が生まれます。　　　　　　

この日もリレーについて話し合っていると、
年中さんまでは少し内気だったRくんが、
「ぼく、アンカーやりたいな。」と意を決して、みんなに伝えました。　

すると、普段から自分の意見をはっきりと言うYくんが
「ぼくもやりたい！」と伝えてきました。　　　　

Rくんは「うーん。どうしよう」と表情が曇りましたが、
自分の意見を曲げない様子でした。

大人は口出しをせず、じっと子どもたちの様子を見守っていました。
ほかの子たちも、二人の強い思いがわかるため、「どうしようか」と悩んでいる様子でした。

すると、沈黙を破るように、
Rくんが「ぼくよりYくんの方が足が速いから、Yくんに譲るよ！」と、
様々な感情が頭をよぎりながらも、
自分の気持ちに整理をつけている様子に成長を感じました。

様々な話し合いを経て、いよいよ他のクラスとの合同練習になりました。
始まる前から緊張感が漂います。

スタートすると、誰よりも大きな声でRくんはみんなを応援し、
アンカーを譲ったYくんに向けては
この日１番の声と動きで応援をしていました。

勝ち負けだけではなく、
子どもの様々な成長が見られとても感動するシーンでした。

ベネッセ日吉保育園／園長