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2023/12/25

2023年度キンダー研究会vol.6 幼児の異年齢保育における「自分の居場所」って?

異年齢保育の質を高める「キンダー研究会」

2023年度キンダー研究会vol.6  幼児の異年齢保育における「自分の居場所」って?

これまでに引きつづき、今回も<幼児の異年齢保育の生活環境で育む、
こどもの力と保育者のかかわり>について検討を進めています。

これまでのキンダー研究会で、異年齢保育を特長づけるものとして
「多様な人との出会いがある暮らし」
「身近なあこがれがある」
「自分の居場所がある」


といったキーワードがメンバーの話し合いから紡ぎだされており、
今回は「自分の居場所がある」
をテーマに話し合いをしました

<居場所>というキーワードからも、
異年齢での生活環境におけるたくさんのエピソードがでてきました。
今回は保育現場から3つのエピソードをご紹介します。

一つ目はある保育園で、進級したてのプレジャー(3歳児)さんの
大好きな保育者がお休みだった日。不安な様子を見せるその子に、
チャレンジ(5歳児)のお兄さんがとても優しく寄り添ってくれました。
異年齢の環境にまだ不安があったプレジャーさんも、
お兄さんが優しく寄り添ってくれたことで、
安心感・信頼が芽生え<自分の居場所>を見つけられたようです。
その日を境にお兄さん以外の仲間との関係も一気に広がっていきました。

年齢や性別に関係なく、相性のいい相手を見つけたり
遊びたい内容によって仲間を変えることで、
こども達は<自分とは違う、人を認める気持ち>や
<みんなと違っても自分は自分―という自尊心>を育んでいるようです。

同時に保育者は異年齢の環境だからこそ、
いつもみんなで一緒ではなく、一人ひとりの気持ちを尊重し、
場合によってはひとりで過ごせる環境を用意するなど、
こどもが安心して自分らしくいられる居場所づくりに努めています。

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二つ目は、別の園で毎朝いちょうの葉っぱを1枚拾って登園する子がいました。
ある日保育者が気になって聞いてみたところ、
葉っぱの色が変わっていく様子を見たくて毎日拾っていたそうです。
そのことを聞いた保育者は、さっそく園のサークルタイム活動
(こどもたちが集まってお話をする場面)で、
その子を中心にして、これまで集めたいちょうを使って
「葉っぱの色の変化」をお話してもらいました。
その子はとても得意げにそのお話をしてくれました。

自分が興味を持ったことを仲間にわかりやすく伝え、
仲間も興味を持って聞いてくれたことが大きな自信となり
<自分が輝ける居場所>を見つけられたようでした。

保育者がこどもの興味関心をしっかり見つけ、光をあてることで
こどもは「自分らしさ」を発揮できるようになっていくようです。
多様なこどもがいる中で、自分を出しにくい子の
つぶやきも拾えるよう保育者は一人ひとりに丁寧に目を向けています。

画像1.jpg

三つ目はまた別の園でのエピソードです。
あるアクティブ(4歳児)さんは、戦隊もののキャラクターが大好き。
でも同学年には同じキャラクターが好きな仲間はおらず、
キャラクター遊びをしたいときにはいつも一人で遊んでいましたが、
4月になりプレジャー(3歳児)さんに同じキャラクターを好きな子が進級してきました。
同じ興味を持つ仲間が出来た途端、キャラクターの説明や遊び方を
年下の子にわかるように何度もお話する姿が見られるようになりました。
それまでは自分から仲間に積極的にかかわることが難しい様子でしたが
年下に頼られたり憧れられることで<自分の居場所>を見つけ、
ほかの場面でも仲間に積極的にかかわり始めるようになりました。

異年齢で過ごす生活空間にはいろいろな関わり、遊びがちりばめられています。
同年齢の仲間同士ではできない遊びをしたくて
年上の仲間の輪に入っていったり、逆に年下の子たちを集めて遊んだり…と、
いろんな興味や得意をもった異年齢の生活空間のなかで
自分の興味にあわせて、その時々で自分の居場所を選んだり
居場所を自分から作り出すこともできるようになっているようです。

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その環境を作り出すために保育者は、こどもを見守るだけではなく
こどもたちと一緒に遊び、その遊びを楽しんで共感することで
こどもの声にならない気持ちや、小さなつぶやきの本当の意味を理解し、
その子一人ひとりの興味・関心や、遊びが広がる援助につなげています。

異年齢のこどもたちが暮らす環境において「自分の居場所があること」で
こどもは安心して自分らしさを発揮できるようになり、
【自己肯定感】や【主体性】をさらに育んでいくために
保育者はどうかかわっていくのかー検討はまだまだ続きます。

キンダー研究会

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