保育園を
探す
2024/07/05
異年齢保育の質を高める「キンダー研究会」
今回の研究会では、昨年度研究会でまとめた
『異年齢保育の3つの特徴』の資料を実際に
それぞれの園で活用し、報告を行いました。
各園の状況に応じて、ねらい・意図を持って、園内研修やクラス会議、
保護者懇談会等の様々な場面で話し合いのきっかけとして活用していました。
参加者の反応や、取り組みに対する評価も共有し、
今後の進め方について研究会メンバーでディスカッションをしました。
そのなかのある園の取り組みについて、ご紹介します。
その園では、幼児(3歳児~)の異年齢保育を担当するスタッフだけではなく、
乳児(1歳~)のスタッフも含め、園内の全スタッフで園内研修として取り組みを開始しました。
初回は異年齢保育の「小さな社会」をテーマに
①こども同士の学び合い ②きょうだいのような関係 ③折り合いに触れる
の3つの項目について、保育の現場での具体的なエピソードを持ち寄り、ディスカッションを行いました。
・年上の子から優しく手伝ってもらったりする経験を重ねることで、自分でもできるようになり、自信につながって主体的な行動が増えた(こども同士の学び合い)
・お散歩時の異年齢の手つなぎペアではお互いのことを気にかけ、手伝ったり見守ったりしている(きょうだいのような関係)
・普段 から異年齢で過ごすことで、年齢が下の子の行動が理解できていて、お休み明けに大きな積み木を壊されていても怒らずにいた(折り合いに触れる)
など、いろんなエピソードを、クラスを超えてスタッフ同士が話し合うことで
「普段の保育を振り返り子どもの姿や成長などを喜び合いながら話し合えた」
「乳児のクラスを担当していても、乳児の中で<小さな社会>の芽生えを感じる瞬間があることに気づいた。丁寧に見守りながら基礎となる育ちを大切にしていきたい」
「異年齢同士の関わりのなかで自然発生的に生まれる関係性はもちろんたくさんあるが、そこには保育者の働きかけがあってこそだと感じた。保育者としてできることももっと考えていきたい」
などたくさんの意見が出ました。
同園では今後も園内研修として異年齢保育の3つの特徴について研修を行う予定です。
今回の研究会では、資料を園の課題や現状に合わせて工夫し、活用していることが共有されました。
資料の活用は様々、そして1回で終了し結果出るものではなく、これをきっかけに日々のこどもへの接し方がどう変化したか、それによるこどもの変化も今後の研究会で深めていきたいと考えています。
--------------<関連コンテンツ>--------------
これからの社会を生きていくために必要なチカラとは?
多様性のなかで育ち合う異年齢保育の可能性
キンダー研究会