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2023/11/28
異年齢保育の質を高める「キンダー研究会」
前回に引きつづき、今回も<幼児の異年齢保育の生活環境で育む、
こどもの力と保育者のかかわり>についての研究を進めています。
前回のブログはこちら
これまでのキンダー研究会で、異年齢保育を特長づけるものとして
「多様な人との出会いがある暮らし」
「身近なあこがれがある」
「自分の居場所がある」
といったキーワードがメンバーの話し合いから紡ぎだされており、
今回は「身近なあこがれがある」
をテーマに話し合いをしました
こどもたちが異年齢で過ごす環境では
多くの「あこがれる存在」と「あこがれられる経験」が生まれています。
こどもたちはそれぞれに得意なことがあり、
例えばある園には石や鉱物のスペシャリストがいます。
珍しい石を見つけると、みな図鑑と虫眼鏡をもってその子に話を聞きに行き、
一緒に観察して名前や特徴を教えてもらっています。
その子にとっては「石のスペシャリスト」として、
人から認められる経験が自分への自信となり、本人もますます熱が入ります。
保育者はその場面を見逃さず、さらにその熱中が膨らむようなしかけをします。
同じように、成果物として目に見えづらい長所や得意なこと
(例:年下の子への言葉かけやかかわり方が得意)もスポットライトをあて、
言葉かけやしかけをおこなっています。
また身近なあこがれは「身近なモデル」でもあります。
園や社会のルールや遊びの道具の使い方にいたるまで
日常のなかのいろいろな場面での年上の子の振る舞いを
年下の子は観察し、真似します。
模倣から始まってルールの裏側にある理由を理解し、
徐々に自分なりのやり方を身に着け、
さらに相手や状況にあわせて振舞っていくことを
異年齢の環境や保育者とのかかわりで学んでいきます。
異年齢の大きな集団であっても共通して保育者は
「こども一人ひとりを理解し見守って、
適切な援助をすること」に取り組んでいます。
そしてそれぞれの得意なことや長所に目を向けて言葉をかけ
かかわることで、興味・学びが広がるようなしかけや種まきをしています。
さらにこども同士のかかわりを中心にしながらも、
保育者、保護者、園外の地域の方…と、
こどもの「あこがれ」や「モデル」となる
多様な存在とのかかわり広げていくことで、
キンダークラスの3年間を通じ、
さらにこども達の世界が広がるようにどう取り組んでいくか、
保育者のかかわりに関しての研究はまだまだ続きます。
キンダー研究会